



目次
1. 敷地の概要
(1) 所在地: 地方都市の住宅地に隣接する、かつて小規模な商店が点在した通り沿い
(2) 敷地面積: 150.0㎡
(3) 形状: 間口10.0m、奥行き15.0mの矩形
(4) 周辺状況: * 北側: 幅員4.0mの道路に10.0m接道 * 東側: 隣地(2階建て専用住宅) * 西側: 隣地(駐車場) * 南側: 隣地(空き地)
(5) 地域地区: 第1種住居地域、準防火地域
(6) 建蔽率: 60%
(7) 容積率: 200%
(8) その他: * 敷地と道路に高低差はない。 * 上下水道、都市ガスは前面道路に本管あり。 * 近隣に小規模な公園、徒歩圏内に小学校あり。
2. 既存建物の概要
(1) 用途: 元々は小規模な店舗(1階)と住居(1階・2階)として使用されていた。
(2) 構造・規模: 木造在来軸組構法 2階建て
(3) 延床面積: 約130㎡(1階:約70㎡、2階:約60㎡)※現況実測値
(4) 築年数: 築45年
(5) 現状: * 約10年間空き家。内装・設備の老朽化が著しい。 * 構造躯体(柱・梁)は一部に腐食や蟻害の可能性があるため、調査と補修が必要。 * 屋根(瓦葺き)に一部ずれ、外壁(モルタル)にひび割れが見られる。 * 建蔽率が現行規定を超過している(既存不適格)。
(6) 特記事項: 1階の旧店舗部分には、当時の面影を残す土間スペースがある。
3. 要求機能 既存建物を耐震性・断熱性等を確保しつつリノベーションし、以下の機能を持つ地域交流施設とする。
(1) 必須要求室 * 多目的スペース (約30㎡): ワークショップ、地域住民の集会、子供向けのイベント等に利用できる可変性のある空間。土足利用可能な仕上げが望ましい。 * 図書・閲覧コーナー (約15㎡): 地域住民が自由に利用できる小規模な図書スペース。 * ミニキッチン (約8㎡): イベント時や日常的な利用に対応できる簡易なキッチン。 * 事務・相談室 (約10㎡): 施設の管理運営、地域住民からの相談対応スペース。 * 便所: 男女別とし、少なくとも1つは車椅子利用者が利用可能な多機能便所とする。 * 倉庫 (約5㎡): イベント用備品や清掃用具等を収納。 * 玄関・ホール: 風除機能も考慮する。 * 屋外スペース: 駐輪場(5台程度)、ゴミ置場、可能な範囲で植栽やベンチなどを設ける。
(2) 任意要求室(計画に含めることが望ましい) * キッズスペース: 小さな子供連れが安心して利用できるスペース。 * 授乳室・おむつ替えスペース: 多機能便所内への設置も可。 * 小上がりスペース: 休憩や読み聞かせなどに利用できる畳敷き等のスペース。
(2) 任意要求室(計画に含めることが望ましい) * キッズスペース: 小さな子供連れが安心して利用できるスペース。 * 授乳室・おむつ替えスペース: 多機能便所内への設置も可。 * 小上がりスペース: 休憩や読み聞かせなどに利用できる畳敷き等のスペース。
4. 設計上の注意点
(1) 既存躯体の活用と課題解決: * 既存建物の構造躯体を可能な限り活用しつつ、耐震診断に基づいた適切な耐震補強を行うこと(補強計画の考え方を図示すること)。 * 既存不適格部分(建蔽率超過等)について、法規に適合させるための減築や工夫を検討すること。 * 雨漏り、腐食、断熱不足等の課題を解決するための改修計画を具体的に示すこと。
(2) 性能向上: * 現行の省エネルギー基準に適合するよう、断熱性能の向上を図ること(断熱改修の仕様を図示すること)。 * 自然採光・自然通風を積極的に取り入れ、快適性と省エネルギー性を両立させること。
(3) バリアフリー: * 施設の出入口、通路、便所等、主要な部分は高齢者や車椅子利用者が円滑に利用できるよう、段差解消や通路幅の確保に配慮すること。
(4) 地域への配慮: * 周辺の住環境と調和した外観デザインとすること。 * 施設が地域に開かれ、多様な世代が利用しやすい雰囲気づくりを心がけること。 * 屋外スペースも地域住民が気軽に立ち寄れるような計画が望ましい。
(5) 安全性・防犯性: * 利用者の安全に配慮した計画(死角を減らす、避難経路の確保等)とすること。 * 夜間や閉館時の防犯対策についても考慮すること。
(6) 法規遵守: 建築基準法、消防法、バリアフリー法、その他関係法令を遵守すること。特に用途変更、既存不適格建築物の増改築に関する法規に注意すること。