



目次
1. 設計条件
- 建物: シェアハウスを併設した高齢者夫婦の住まい(木造2階建て)
- 目的: 高齢者夫婦の住居と、入居者3名が住むシェアハウスを計画する。夫婦と入居者が交流できる共用LDK(B)を設ける。
- 特に配慮する点:
- シェアハウス部分の配置:入居者同士の交流とプライバシーに配慮する。
- LDK(B)への動線:住宅部分から屋内で行き来できるようにする。
- 屋外テラス:LDK(B)に隣接し、直接行き来でき、バーベキューなどができるスペースとする。
2. 敷地条件
- 場所: ある地方都市
- 用途地域: 第一種住居地域 (防火・準防火地域の指定なし)
- 建蔽率: 60% (角地緩和を含む)
- 容積率: 200%
- 形状等: 添付の敷地図(縮尺1/500)を参照。
- 制限事項:
- 敷地図の交差点付近の斜線部分には、駐車スペースおよびその出入口を設けてはならない。
- 敷地図の網掛け部分には、建築物の外壁等を計画してはならない(協定による)。
- その他: 地形は平坦で、道路・隣地との高低差はない。地盤は良好。電気、都市ガス、上下水道は完備。
3. 建築物の概要
- 構造: 木造2階建て
- 高さ: 最高の高さ10m以下、軒の高さ7m以下
- 耐力壁: 必要な量をバランスよく配置する。
- 延べ面積: 170㎡以上、250㎡以下
- ※ピロティ、玄関ポーチ、バルコニー、屋外テラス、屋外スロープ、駐車スペース、駐輪スペース等は延べ面積に算入しない。
4. 人員構成
- 住宅部分: 高齢者夫婦(60歳代後半) 2名
- シェアハウス部分: 入居者 3名(各個室に1名ずつ)
5. 要求室等
【住宅部分】(高齢者夫婦用)
- 1階
- 玄関(A)
- 下足入れを設ける。
- LDK(A)
- テーブル及び椅子(計4席以上)を設ける。
- 夫婦寝室(A)
- 洋室とする。
- ベッド(2台)を設ける。
- ウォークインクローゼット(3.3㎡以上)を設ける。
- 浴室(A)
- 広さは、1,820mm×1,820mm以上とする。
- 洗面脱衣室
- 広さは、1,820mm×1,820mm以上とする。
- 便所(A)
- 1階にまとめる。
- 納戸(A)
- 広さは、1,820mm×1,820mm以上とする。
- 出入口(玄関(A)を除く)
- 全て引き戸又は引違い戸とする。
- 玄関(A)
【共用部分】(夫婦・入居者共用)
- 1階
- 玄関(B)
- 下足入れを設ける。
- LDK(B)
- 高齢者夫婦とシェアハウスの入居者とが交流する場としても使用できるようにする。
- 洗面コーナーを設ける。
- テーブル、椅子(計6席以上)及び収納を設ける。
- 屋外テラスと直接行き来できるようにする。
- 便所(B)
- LDK(B)と行き来できるようにする。
- 玄関(B)
- 2階
- 交流スペース
- 入居者同士の交流の場として使用する。
- テーブル、椅子(計3席以上)及びミニキッチンを設ける。
- コーナー又はホールとしてもよい。
- 洗面室
- 洗濯室と1室にまとめてもよい。
- 洗面コーナーとしてもよい。
- 洗面器3台を設ける。
- 洗濯室
- 洗面室と1室にまとめてもよい。
- 洗濯機を設ける。
- 浴室(C)
- 広さは、910mm×1,365mm以上とする。
- シャワー脱衣室(C1)
- 浴室(C)に隣接させる。
- ロッカー(3台以上)を設ける。
- シャワー脱衣室(C2)
- シャワー室に隣接させる。
- 便所(C1)
- 便所(C2)
- 納戸(C)
- 入居者共用の収納として使用する。
- 広さは、1,820mm×1,820mm以上とする。
- 交流スペース
【シェアハウス部分 個室】(入居者用)
- 2階
- 個室(D1)
- 個室(D2)
- 個室(D3)
- いずれも洋室とする。
- それぞれに収納を設ける。
- 広さは、それぞれ10㎡以上(収納を含めてもよい)とする。
- それぞれにバルコニー(広さ 1,820mm(幅)×910mm(奥行)以上)を設ける。
【その他】
- 階段
- 踏上げの寸法を180mm以下、踏面の寸法を225mm以上とする。
- 踏面の寸法は、回り階段の部分の場合、踏板の最も狭い方の端から300mmの位置において確保する。
- 床面積・広さの指定がない場合
- 床面積は適宜とする。
6. 屋外施設等
- 屋外テラス: LDK(B)と直接行き来、椅子(6脚以上)を設ける。
- 緑化スペース: 敷地の道路(隅切り部分を除く)に面して、合計1.5m以上の幅で計画する。
- 屋外スロープ: 敷地内の通路計画で高低差が生じる場合は設ける。勾配は1/12以下とし、スロープの始終端には奥行1,500mm以上の平場を設ける(上端平場は玄関ポーチと兼用可)。
- 駐車スペース: 住宅部分用として1台分(幅3,500mm以上、高齢者の乗降に配慮)。
- 駐輪スペース: シェアハウス部分用として3台分。
- 門、塀: 設ける。
7. その他
住宅部分とシェアハウス部分の動線分離と共用部の連携、プライバシーと交流のバランス、高齢者やシェアハウス入居者の使いやすさなどが設計のポイントとなります。