【設計】地域住民が交流できるカフェを併設する二世帯住宅(鉄筋コンクリート造3階建て)

建築

主要な設計条件の概要:

  1. 用途: カフェ(地域交流・イベント・子どもの食事/学習支援)+二世帯住宅(親世帯・子世帯)
  2. 構造・規模: 鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)、3階建て、延べ面積250㎡以上300㎡以下
  3. 敷地条件:
    • 地方都市の近隣商業地域、準防火地域
    • 積雪寒冷地
    • 建蔽率80%、容積率300%
    • 敷地形状等は図面参照
    • 隣地境界線から500mm以上離隔
  4. ゾーニング・動線:
    • カフェと住宅の出入口は分離。
    • 1階内部でカフェと住宅の行き来が可能。
    • 住宅の玄関は二世帯共用。
  5. カフェ部分(1階):
    • 喫茶室(10席以上)、厨房、イベントスペース(10席以上、可動間仕切り)、多機能便所、洗面所
    • 屋外カフェテラス(10㎡以上、テーブル設置)を設け、喫茶室・イベントスペースと一体利用可能。
  6. 住宅部分:
    • 共用: 玄関ホール、倉庫(1階、屋外アクセス可)、階段、エレベーター(1~3階、バリアフリー仕様)
    • 2階(親世帯ゾーン想定): 居間・食事室(家族全員)、台所、親世帯寝室、洗面脱衣室、浴室、便所(A)(バリアフリー仕様)
    • 3階(子世帯ゾーン想定): 子世帯夫婦寝室(WIC付)、子ども室A、子ども室B、洗面コーナー、便所(B)
    • ※居間・食事室・台所は2階または3階に配置可能。
  7. バリアフリー・安全性:
    • 住宅部分の出入口は原則引戸。
    • 2階廊下幅は車椅子を考慮。
    • EV、多機能便所、親世帯便所(A)はバリアフリー仕様。
    • 準防火地域対応(延焼ライン内の開口部に防火設備)。
    • 住宅内の階段・EVシャフト等は防火区画。
  8. 環境配慮:
    • 積雪寒冷地のため、断熱性能に配慮。
  9. 外構:
    • 住宅用駐車スペース2台(屋外、屋根なし)。
    • 駐輪スペース11台(来客用8台、住宅用3台、屋外、屋根なし)。
    • 高低差がある場合はスロープ設置(勾配1/12以下)。

設計上のポイント・考慮事項:

  • ゾーニングと動線: カフェのパブリックな動線と、住宅のプライベートな動線を明確に分離しつつ、管理動線(親世帯夫婦がカフェ運営)を考慮する必要があります。1階での接続方法がポイントです。
  • カフェの機能性: 喫茶、イベント、子どもの食事・学習と多様な使われ方に対応できる柔軟な空間計画(特にイベントスペースの可動間仕切り)と、厨房・サービス動線の効率化が求められます。屋外カフェテラスとの連携も重要です。
  • 二世帯住宅の計画: 共有スペース(玄関、居間・食事室など)と各世帯のプライベート空間(寝室、水回り)のバランス、世帯間のプライバシー確保が重要です。家族全員が集まれる居間の配置(2階か3階か)もポイントになります。
  • バリアフリー: 特に親世帯が利用する2階部分や共用部は、将来を見据えたバリアフリー計画(通路幅、引戸、水回りスペース、EV)が必要です。
  • 法的規制の遵守: 建蔽率・容積率、準防火地域の規制(特に開口部の防火設備)、隣地境界線からの離隔距離などを守る必要があります。
  • 構造とコスト: RCラーメン構造3階建てという条件の中で、要求される諸室を効率よく配置し、構造的に無理がなく、コストバランスも考慮した計画が求められます。
  • 環境性能: 積雪寒冷地に対応した断熱仕様(壁、屋根、開口部)や、場合によっては結露対策なども検討が必要です。