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設計コンセプト
レストランとしての「集いの場」の魅力と、家族が暮らす「住まい」の快適性が調和し、共に成長していくような空間を目指します。ハーブ菜園を象徴的に取り入れ、自然の恵みと人の賑わいが融合する、地域に愛されるレストラン併用住宅を提案します。
1. ゾーニングと動線:明快な分離とスムーズな連携
- デュアルアクセスとプライバシー確保:
- レストランの入口と住宅の入口を道路側に明確に分離して配置し、お客様と家族の動線を完全に分けます。 これにより、住宅部分のプライバシーを確保しつつ、レストランへのお客様をスムーズに誘導します。
- 内部では、1階の住宅用玄関ホールを介して、オーナー夫妻がレストランと住居間を効率的に行き来できる専用動線を設けます。
- 効率的なサービス動線と快適な客動線:
- 厨房は、ハーブ菜園へのアクセスが容易な位置に配置し、採れたてのハーブをすぐに調理に活かせるようにします。 また、食材の搬入出動線は、お客様の目に触れにくいよう、客動線と明確に分離します。
- 客席スペースは、お客様がゆったりと食事を楽しめるよう、通路幅や席の配置に配慮し、快適な空間を提供します。
2. 空間デザイン:緑が彩る、温かみと洗練の融合
- 外観デザイン:
- 住宅地の景観に調和しつつ、レストランとしての個性が際立つ、おしゃれで親しみやすい外観を目指します。木材や塗り壁などの自然素材を積極的に用い、温かみのあるファサードを演出します。
- レストラン部分は、ガラス面を効果的に用いて開放感を演出し、店内の賑わいやハーブの緑が外からも感じられるようにします。
- ハーブ菜園(3m×3m)は、レストランのシンボルとして、道行く人の目を楽しませるアクセントとなるよう配置・デザインします。
- 内装デザイン:
- レストラン空間(1階):
- 客席(約20席)は、ナチュラルで明るい雰囲気を基調とし、ハーブの緑が映えるような色彩計画とします。 木の質感を活かしたテーブルや什器、柔らかな照明計画で、リラックスして食事を楽しめる空間を創出します。レジカウンターも空間に調和するデザインとします。
- 厨房は、機能性を追求しつつ、清潔感のある設えとします。配膳カウンターは、客席との繋がりを意識し、ライブ感を演出することも可能です。
- 住宅空間(1階・2階):
- 1階の居間・食事室・台所(26㎡以上)は、家族が集う中心として、明るく開放的な一体空間とします。 対面キッチンやアイランドキッチンを採用し、家族のコミュニケーションを育むデザインを提案します。
- 2階の各個室(夫婦室19㎡以上、子供室各9㎡以上)は、プライバシーを確保しつつ、十分な採光と通風を得られるよう配置します。 収納計画(夫婦室のW.I.C含む)を充実させ、すっきりと暮らせる工夫を凝らします。
- レストラン空間(1階):
3. 機能性と快適性:暮らしと経営を支える工夫
- ハーブ菜園との連携: 厨房からのアクセスが良いだけでなく、お客様からも一部見えるようにするなど、レストランの特色を活かした計画とします。
- 家族の成長と変化への対応: 子供室は、将来的な間取り変更も視野に入れた可変性のある計画も検討します。
- 環境配慮と快適性: 自然採光・通風を最大限に活用し、心地よい室内環境を実現します。断熱性能にも配慮し、ランニングコストの低減も目指します。
- 耐震性の確保: 木造の特性を活かし、耐力壁のバランスの良い配置や適切な金物補強により、地震に強い安全な構造計画とします。
- 駐車スペース: 住宅用に小型乗用車1台分の駐車スペースを確保します。
4. コンセプトの実現に向けて(計画の要点等への展開イメージ)
- レストラン客席スペースの工夫: 席のバリエーション(テーブル席に加え、窓際のカウンター席など)を設け、多様な客層に対応。ハーブ菜園を眺められる席を設けるなど、空間の魅力を高めます。
- 厨房配置の工夫: ハーブ菜園への最短動線、食材搬入口とサービス動線の分離、配膳・下膳の効率化を考慮した機器配置とします。
- 住宅からの屋内動線計画の工夫: 1階玄関ホールを介した公私分離と、経営者としての住宅・店舗間のスムーズな移動を両立する計画とします。